みなさんはキヌアという食材を聞いたことがありますか?
古代インカ時代から栽培されており「穀物の母」とも称されています。
NASA専門誌では、21世紀の主要食として宇宙食にも推奨しているスーパーフードとして紹介されました。
「1つの食材が、人間にとって必要な全ての栄養素を提供することは不可能だが、キヌアは植物界、動物界において何よりもそれに近いものである」
(David L. Bubenheim. Greg Schlick (1993) Quinoa: An Emerging “New” Crop with Potential for CELSS)
キヌアを食べた感想
食べた感想ですが、米よりもライトで、サラサラと食べやすく、味・風味が控えめなので、どんな料理にも馴染むという点も素晴らしいです。
キアヌ・リーブスのキアヌの表記が似てますね。私のブログは、薄毛の話題も多いので、今回「キヌア」を紹介すると混乱・誤認される恐れもあったので迷いましたが、お間違えなきよう。今回はキヌア(quinoa・きぬあ・キノアでもいいみたいです)のことを書きます。
キヌアとはどんなもの?
キヌアはヒユ科アカザ属の植物です。南米アンデス山脈の高地において栽培されている擬似穀物で、ヒエやアワなどと同様に雑穀に分類されているものです。
存在自体に希少価値がありますが、その栄養価の高さから、SDGsの17の目標の1から3の各目標への貢献も期待でき、飢餓問題・栄養失調・貧困問題の撲滅に多大なる役割を果たすことができるとも言われています。
ちなみに、成城石井のキヌア惣菜(特に「フェタチーズと有機キヌアの地中海風サラダ」)は、うまいです。心からお勧めします。特に、よく冷えた白ワインと一緒に食べると感激します。私は、初めてキヌアを口にしたのがこの料理で、運が良かったです。感謝しています。
キヌアの優秀さ その1(必須アミノ酸を網羅していること)
キヌアに含まれる栄養素で、特徴的なのがたんぱく質です。タンパク質を構成する20種類のアミノ酸のうち、体内で作ることができない9種類のアミノ酸を「必須アミノ酸」と言いますが、キヌアには全ての必須アミノ酸が含まれており、非常に珍しいと言われる所以です。
たんぱく質は体内の筋肉や皮膚、髪などを作るときに必要な栄養素です。たんぱく質が不足すると、筋肉の量が減って基礎代謝が減少、薄毛が進んだり、太りやすく痩せにくい身体になってしまいます。
キヌアの優秀さ その2(カリウム・カルシウム・マグネシウムが豊富であること)
そして、キヌアに含まれるカリウム含有量は、白米の実に七倍以上という優秀さです。
カリウムは身体の中に溜まった塩分を排出するために非常に重要な栄養素で、もしこれが不足する場合、体の中に不要な水分が溜まり、むくみや冷えの原因となります。
水分は、内臓脂肪の大敵です。キヌアを取り入れることは水分による体重増・肥満の解消に役立ちます。
カルシウムやマグネシウムなどの栄養素も多く、エネルギー消費を促すビタミンB群や、老廃物を排出して、腸内環境を整えることで身体に脂肪を付きにくくする食物繊維も非常に豊富です。こちらも毛髪・頭皮環境に重要な栄養素です。
キヌアの優秀さ その3(血糖の上昇を防ぐ低GI食品であること)
低GI食品としても知られています。GIとは、血糖値の上がりやすさを示した数値です。キヌアのGI値は35で、これは白米の半分以下、玄米の56、ライ麦パンの58と比べてもはるかに低い数値です。
GI値の高い食品は、食べたものが脂肪に変わりやすいという特徴があります。逆にGI値が低いと、少しずつ血糖値が上がるため、摂取したカロリーを長時間にわたって使うことが可能となり、余ったカロリーが脂肪に変わることを防ぐことにつながります。
キヌアの生産地
生産地もペルーやボリビア等の南米地域が主であるため、国連の食糧農業機関 (FAO) によると、年間生産量は世界全体で約185,000 tしかなく、穀物類のなかでも生産量が少ないとされています。それは、キヌアを育てられる場所が限られていることによります。
キヌアは、水はけの悪い土地では種子の収量が大きく減るため、日本国内での栽培実績は多くありません。
高まるスーパーフード・キヌアへの需要
この優秀な食料へのニーズは増加傾向にあり、国際キヌア年のキャンペーンも催されるほどで、ヨーロッパ・中国・日本での需要も増大しています。しかし、国内の生産地としては、北海道や山梨県などの一部地域でキヌア栽培の成功例が報告されているにとどまっています。
今後のキヌアを育てる環境整備の向上に期待がかかりますね。
ちなみに、消費者の購買先としては、大型の小売店舗などで、オーガニック系の野菜や加工品が豊富なスーパーなどで、入手可能ですが、意外と身近に入手できるような場所も限られているかもしれません。(おすすめキヌア)
キヌアの食べ方
キヌアは茹でると膨れるため、栄養価が高い割に、少量でも満足感・満腹感を得やいです。さらに、調理も非常に容易ですので、ご家庭の食卓に並べることはさほど難しく無いでしょう。
ここでは、鍋で炊く例を示しますが、まず、お米と同じようにキヌアを水洗いし、水分量はキヌアの2倍ほどの量の水を入れ、15分ほど火にかければOKです。
私はサラダにかけたり、ビタミン色の野菜とマリネしたり、ご飯に混ぜてトロロと一緒に食べたり、気が向いたら割と気軽に食べています。
亜鉛の摂取と合わせて、積極的に摂りたい食材ですね。亜鉛については当ブログのこちらでも紹介しています。
日本でも栽培が行われ始めているキヌア、今後はますます注目が高まると予想されます。まだ試していないという方は、意外と安価に入手(おすすめキヌア)できますので、ぜひ食事に取り入れてみてはいかがでしょうか。