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39歳・コンサルタント・エンジニアです。「やっときゃ良かった」を防いでいい男の最高峰を目指しています。未来技術と健康・減量など役立つ情報を発信しています。

【未来技術】老化が止まった未来にどのように備えるか?「怠惰な多忙」を避ける方法

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老化は思い通りに操れるようになるのか?(出典:写真AC)

老化を抑える遺伝子の発見にはもう少し時間がかかりそうです。老化を自分の意図通りにストップさせることができる社会になるとどんな生活になるでしょうか。備えておくべきことも多そうですね。

今回は老化のプロセスが遅れることによる社会的影響と自ら人生をつまらなくすることを防ぐ方法について考えてみました。参考になれば幸いです。

老化はそもそもなぜ起こるのか

現在、老化のメカニズムの主説はプログラム説です。生物種によって生まれてから死ぬまでの時間があらかじめプログラムされているというものです。そこにはヘイフリック限界という現象が関係しています。

「ヘイフリック限界」とは細胞の分裂回数に制限があることです。細胞はある回数以上は分裂できないが、寿命の長い生物ほど細胞分裂の限界回数が多い。分裂ができない細胞は寿命を迎えるという現象です。

老化はテロメアの短縮と細胞分裂の停止

細胞が一定の回数以上は分裂することができない理由のひとつに染色体の「テロメアの短縮」という現象があります。テロメアとは靴紐の先についているプラスチックのようなイメージです。

テロメアがある限度を超えて短くなると、細胞はそれ以上分裂できなくなってしまうということです。(染色体の構造が不安定になる。テロメアよりも内側にあるDNA配列が削れる)

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テロメアとヘイフリック限界(出典:写真AC)

老化が止まった社会で想定される2つのこと

これによって想定される事象は2つあります。

第1は、本来、寿命を迎えているはずの人間が生き続けるため人口が過剰になること、第2は、晩婚化が進み出生を遅らせることができるため子供の数が減少すること、です。

人が生き続けると食料生産に限界がくる

世界的に人口爆発は最高潮を迎えています。

一部の指摘・地域では、食料を生み出す地球の能力も限界に近付いています。穀物生産でも漁獲でも、世界の食糧生産は頭打ちになってきていると言います。

このまま進むと国連の食糧農業機関は、2050年までに新たに増える23億人を養うには70%の食糧増産が必要で、そうしないと惨事に直面すると警笛を鳴らしています。

これらは畜産業の問題に端を発したソイミートの普及などに現れています。詳しくは本ブログの以下のブログで紹介しています。参考になれば幸いです。

www.dandy-maker.xyz

老化が止まると子どもが産まれなくなる

老化が止まると子供をいつまでも産まなくなる。つまり、晩婚化が進み出生を遅らせることができるため子供の数が減少するのではないかということです。

するとどうなるか。社会に子供がいなくなったら教育機関は廃墟となり、子供達の声や行動が世界から消える。

大人しかいない世界では、様々な資源がさらにひっ迫することになるでしょう。特に、異常なベビーブームを経験している中国やインドの何億もの人の老化が止まり、さらに、子供を産まなくなると世界中の人が中流階級の仲間入りを志向し贅沢をしたくなるはずだからです。

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老化が止まると世界人口が爆発したままの状態になる(出典:写真AC)

老化が止まった社会への警笛

不老不死・永遠の生にまつわる伝説は非常に多いですが、大抵は晒し者にされたり、苦痛・生き地獄を経験させられているケースが多く、不幸な最後を告げますが。

ディズニーアニメのラプンツェルには、ラプンツェルの長い髪の毛が放つ魔法によって不老不死になっている「ゴーテル」などもそうですね。

技術的・科学的にこのような社会が実現されたとして、我々が年をとる意味をどこに見出すか悩ましいですね。老化しないコトをいいことに夜遅くまで起きて不摂生になったり、仕事をしなくなったりするのでしょうか?

ただ、大昔から不老不死は「永遠に続く生の苦しみ」や「終わりがない苦しみ」と解釈されます。むしろ、これに警鐘を鳴らしつつ、一日一日を大切に生きようとする方向へ思考が転換するのです。

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「生」と「死」の苦しみ(出典:写真AC)

「怠惰な多忙」であえて人生を短くしない

現在の科学技術で不老不死の実現が見通せない中、少しでも長く生きたいと思う人が多いと思いますが、毎日一日一日をいい加減に扱う人間の生き様を記している名言が多くあります。

人生は短いのではない、人間がそれを短くしてしまっているのだ。(ローマ帝国の政治家・哲学者・詩人、セネカ(Lucius Annaeus Seneca

これは生活の不摂生で人生を短くしているといった意味ではありません。世の中の多くの人が、一日一日を大切に生きていない、一日一日を活かしきっていない、ということです。セネカは、心が忙しく落ち着きがないと感じるべきことを感じない、これを「怠惰な多忙」と呼んでいます。

そして、心を肝心でない事柄に向けて忙しくしてしまうことをパスカルは名著パンセの中「divertissment (ディベルティスマン)」と呼んでいます。

怠惰な多忙を避ける方法

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多忙の元はなんなのか?(出典:写真AC)

ビジネスマンの多くは、山のような雑務や無意味な会議に追われ、その流れは止まることがありません。雑務をこなせるようになると、なんとなく仕事した感じになってしまうものです。

私は多くの人の仕事の8割が雑務に分類されると思ってます。なので、雑務をできるだけ早くかつ正確に片付けることが大切。クリエイティブな仕事に充てる時間バランスが大切です。

定型の処理的な仕事は、非定型の創造的な仕事を駆逐するのを避けましょう。

問題が発生する以前に、それを防ぐ活動が大切です。「7つの習慣」で有名なコヴィーはこれについて「時間管理の用語で言うと、パレートの法則というものである。つまり80%の結果は20%の活動から生み出されるということである」と言っています。

Live as if you were to die tomorrow. Learn as if you were to live forever.

明日死ぬかのように生きよ。永遠に生きるかのように学べ。〔Mahatma Gandhi (マハトマ・ガンジー)〕

創造こそが最大の楽しみであり続けるために日々の時間を大切に過ごすのが良いですね。