新型コロナウイルスが流行し、在宅ワークが浸透しました。結果、通勤が少なくなり運動不足や生活習慣が乱れる人が増えているようです。
特に30代から50代の働き盛り世代は、肥満や不眠、ストレスなどの不調に悩まされていませんか?
最近「コロナ抜け毛」といって「ストレスによる抜け毛」が増えているとの報道もあります。
今回はストレス発生の原因やストレス強度の違い、ストレスとの上手な付き合い方について、本ブログでもたくさん取り扱っている【未来社会のライフスタイル】の観点も交えながら解説しています。
皆様の参考になれば幸いです。
ストレスと薄毛(コロナ抜け毛)
在宅時間が増えたことで「1人の時間が取れない」「外出できない」など、日常生活のための行動が制限されてきたと思います。
生活リズムが崩れる(思う通りの生活ができない)ことで大きなストレスを抱く人は非常に多いですよ。
大きなストレスはホルモンバランスや自律神経の乱れにつながり、薄毛や抜け毛の進行を早める可能性があります。
生活リズムとストレス
これまでのように、通勤→仕事→通勤→食事などの生活リズムがなくなると行動にメリハリがなくなります。
朝起きられないとか、最近だるいとか、ストレス溜まってるなと言う方は、生活リズムを整えるために朝日を浴びて体を外側から起こすのが有効(いわゆるメラトニン効果)です。
以下の記事も参考になれば幸いです。
ストレスランキング
身近な人との関係悪化やライフステージに関する事象が上位
配偶者の死を100とした場合のストレスをランキング化したアメリカの研究結果です。ストレスは「身近な人」との関係悪化や「ライフステージ」に関する事象が上位に来ていることがわかります。健康や仕事に関することも上位ランク。家族と同居している人で在宅ワークを強いられている場合、かなりのストレスの種を抱えることになりますね。
家族・妻・子供に関する項目を合わせると12項目もある(赤文字)ことから、身近な人、同居人との関係を良好に保つことがストレスの発生を防ぐのに不可欠と言えます。
- 1位、配偶者の死(100)
- 2位、離婚(73)
- 3位、夫婦の別居(65)
- 4位、刑務所への収容(63)
- 5位、近親者の死亡(63)
- 6位、大きなけがや病気(53)
- 7位、結婚(50)
- 8位、失業(47)
- 9位、夫婦の和解(45)
- 10位、退職・引退(45)
- 11位、家族の健康の変化(44)
- 12位、妊娠(40)
- 13位、性生活の困難(39)
- 14位、新しい家族メンバーの加入(39)
- 15位、仕事上の変化(39)
- 16位、家族上の変化(38)
- 17位、親友の死(37)
- 18位、配置転換・転勤(35)
- 19位、夫婦喧嘩の回数の変化(35)
- 20位、1万ドル以上の借金(31)
- 21位、借金やローンの抵当流れ(30)
- 22位、仕事上の地位の変化(29)
- 23位、わが子の結婚(29)
- 24位、親戚とのトラブル(29)
- 25位、個人的な成功(28)
- 26位、妻の就職・退職(26)
- 27位、進学・卒業(26)
- 28位、生活環境の変化(25)
- 29位、個人的習慣の変化(24)
- 30位、上司とのトラブル(23)
- 31位、労働時間や労働条件の変化(20)
- 32位、引っ越し(20)
- 33位、転校(20)
- 34位、レクリエーションの変化(19)
- 35位、社会活動の変化(19)
- 36位、宗教活動の変化(18)
- 37位、1万ドル以下の借金(17)
- 38位、睡眠習慣の変化(16)
- 39位、家族数の変化(15)
- 40位、食生活の変化(15)
- 41位、長期休暇(13)
ストレスの見える化の方法
ストレスをチェックする方法は大きく2つあります。第1は会社などの組織が配布・実施するチェック調査に基づき行うもの(ストレスチェック制度)、第2は個人がウェアラブル端末を使ってストレスレベルを計測することです。
ストレスチェック制度の活用
平成27年に厚生労働省が労働安全衛生法に基づき施行したストレスチェック制度は、企業などの団体が職員に向けてストレスチェック(多くは職場のPCで質問に回答していくもの)を行うものです。調査結果を本人に通知されるのでストレスの現状を把握することができます。職員のメンタルヘルスの不調を未然に防止することや、調査結果を分析して職場環境の改善を行うことを目的としています。
ただしこの調査は年に1回なので日別・時間帯別のストレス状況はわかりません。年別のストレス推移は把握できると思いますがストレスを把握するのに年間単位というのはロングタームすぎますね。なので30代から50代の働き盛り世代は個人ベースでストレスを計測することをお勧めします。
ウェアラブル端末による可視化
ウェアラブル端末でストレスレベル機能搭載機種を使えば、日別・時間帯別のストレス状況が把握・可視化できます。このテクノロジーは、心拍変動に基づいているのでその時々のストレスレベルを把握できます。ストレスレベルの計測には、心拍間隔を見極めるためにデバイスの心拍数データを使用します。皮膚電気活動(EDA)センサーを搭載した高精度なスマートウォッチも出ています。
スマートウォッチでストレスを計測するオーソドックスな手法は脈を使うものです。身体の自律神経系によって調節され心拍間隔が小さいほど(心拍が高い)ストレスレベルは高くなります。もちろん取得したデータは対応するアプリケーションによって可視化され様々な分析に活用が可能です。
体調管理には「睡眠・食事・ストレス」の3つの視点で質を上げることが大切
ウェアラブル端末等で得られたストレス実態にどう対処していくか。日々の気持ちやストレスの発生は、体の健康状態に大きく左右されます。仕事もやる気を持続させるためには、体調管理が一番大切。体調管理には「睡眠」「食事・栄養」「ストレス軽減」が3本柱だと考えられています。しかし、十分な睡眠時間を確保して美味しくて栄養のある食事を摂って、精神的ストレスのない環境で生活するというのは多くの人にとってほぼ不可能・絶望的だから問題なのだと思います。
この3つの要素が全てマイナスになると、体も心も悲鳴をあげてしまう。2つの柱がマイナスになってもかなり厳しいですね。なので、3つのうち1つがマイナスになるのはやむを得ないとして、マイナスになったその一つを他の2つでカバーするということが必要です。
例えば「睡眠時間(↓)なら食事(↑)、ストレス(↑)で過ごすこと」です。
もっと具体的に言うと睡眠時間がとれなかったり睡眠の質が悪い夜だっと感じたら、美味しい食事を意識的に食べたり、先に挙げたストレスの発生原因をできるだけ起こさないように過ごすと言うことです。人間関係でトラブルがあってストレスがたまったら、とりあえずよく寝てよく食べるということです。美味しい食事は野菜中心にするとなおベターですね。野菜をたくさん取るとビタミンや食物繊維が体内に取り入れられて健康的に減量できるからです。
ストレスと睡眠の関係
最近の研究によれば、勉強などで頭を使ったときは脳の表面にある大脳新皮質というところが疲労するのですが、これは数分の睡眠でも回復する。しかし、人間関係が原因のストレスによる脳の疲労は充分に眠らないととれない(脳の奥のほうの古い皮質にたまるため)と言うことです。
疲れをなるべく脳の表面にとどめ、できるだけストレスを貯めないようにすると、睡眠時間自体はさほど気にしなくてもよいとの報告もあります。睡眠時間の不足は、睡眠の質(就寝をとりまく環境整備)である程度カバーできるようです。睡眠については、次の記事で紹介していますので、参考になれば幸いです。
また昼寝の効果も科学的に認められつつあります。睡眠の質は体全体の栄養素の巡りを良くするので体調管理の3本柱である「睡眠」「食事・栄養」「ストレス軽減」のうち2つが改善することになります。特に少しの昼寝はその後の生産性を向上させる効果もあるのでストレスを未然に防ぐための効果的な解決策にもなるのではと考えています。(私も昼寝信者なので上手に昼寝をとって快活に生活を送れると嬉しくなります。)
生活習慣の改善だけでストレスに対抗するのはちょっとしんどいので、ストレスをためない考え方を取り入れることも重要です。私の敬愛するマハトマ・ガンディーは
「明日死ぬかのように生きよ。永遠に生きるかのように学べ。」(Live as if you were to die tomorrow. Learn as if you were to live forever.)
と言っています。「明日死んでしまう」ということを考えると、些細なことは気にならなくなりますね。これもストレスを受け止める重要な思想・姿勢になると思っています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。